犬の理学療法と与える餌

先日ある1頭のドーベルマンがウォブラー症候群と診断された。ウォブラー症候群とは、通常電車のようにきちんと並んで連なっている頚椎(首の部分の背骨)の主に後ろ部分の位置がずれ、頚椎の中を通る脊髄が圧迫されて後部への神経電気伝達が滞るという疾患で、それにより犬の歩行障害を症状として伴う疾患である。原因は厳密にはまだ解明されていないが、ドーベルマンやグレートデーンなどでは特に遺伝疾患であることが知られている。メスよりもオスの方が罹りやすく発症数が倍ほどであるという。

このドーベルマンの場合も、ある時から立ち上がるのに時間がかかったり、歩いても足元がふらついて転んでしまったりと、四肢の動きが不安定になった。症状がみられてからしばらくは様子を見ながら散歩に出ていたが、ある日とうとう立ち上がることができなくなりその時の犬の様子から痛みを伴っていることもわかり、精密検査を受けた結果ウォブラー症候群という診断に至った。犬はまだ2歳で元気な盛りであるだけにこの診断は犬にとって辛いものとなったが、幸いにして手術を受けることができた。しかし、ウォブラー症候群の発症によりこのドーベルマンの生活は一転した。これまでは元気にドッグランを走り回りみなぎるパワーを発散させていたのができなくなったのだ。
術後の安静を守るうちに犬の筋肉は使われなくなって減り、術前よりも痩せ、このままでは犬は確実に立てなくなってしまう状態になっていた。こんな時、ドイツでは必ず犬の理学療法士の出番である。

多くの場合、犬の理学療法は人間の理学療法の応用で、骨折や関節炎、椎間板ヘルニア、股関節形成不全、神経の麻痺などの疾患において筋肉や関節など運動機能を持つ器官の機能の維持と機能の増強のために行われるのも人間の理学療法とほぼ同じだ。マッサージやストレッチといったなじみのあるものから電気刺激、温熱そして水中歩行などに至るまでさまざまなメソッドが用いられ、患部をいたわりながら血行を良くして筋肉と神経の代謝を促すのが目的で、疾患によりバランスを失った体の一つ一つの筋肉に目標を定めて動かし、また元のバランスに戻して行くには当然それなりの専門知識と技術を要する。

理学療法はドイツに限らずイギリスやアメリカ、オランダ、北欧などで術後や傷害のリハビリと高齢犬の運動機能を維持するために行われ、犬の健康を芯から考えると骨格系の疾患における理学療法なしの治療は考え難い。だからもしも骨や筋肉に関する手術を受けるのであればあらかじめ手術前に執刀獣医師と理学療法士が患犬の状態について話し合いをし、手術の計画は術後のリハビリプログラムも含めて立てられるのだが、残念ながら日本において術後の理学療法は仮にも一般的とは言えないほど全く普及していないに等しい。

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理学療法の効果は多くの場合一目瞭然である。単に体を動かす前のマッサージやストレッチ一つをとっても、するとしないとでは明らかに犬の動きが異なる。長時間安静にしているだけで四肢の筋肉は体重で押されて血行が悪くなり関節は強張って滑りが悪くなるのだが、そのままの状態で立ち上がって歩くよりも、立ち上がる前に筋肉の血行を良くし、強張った関節をほぐしてやる方が体を動かしやすい。私たちも長時間寝た後に起き上がろうとするとどうも体がギクシャクしてうまく歩けないことがあるだろうし、肩こりなどで強張った体をもみほぐしてもらうと急に体が軽くなったような感覚になることがそれぞれあると思うが、まさにそれである。

犬の体だって同じだ。安静にしていても体は強張り、安静にしているからこそ関節を動かす機会が少なくなって関節が滑らかさを失う。強張り滑りの悪い四肢のまま立ち上がると、体はバランスを取りづらくよろけて転けたり、転けないように余計に筋肉に力が入ってしまい、良からぬ事故につながる可能性だってある。立ち上がる時に人がサポートをしたとしても、大きな犬になればなるほど人がその事故に巻き込まれるリスクだって高くなる。

犬の体というものは(人も他の動物もそうだが)ただ外科手術を受ければそれで元通りの体になるわけではない。今回このドーベルマンは安静後手術の傷が癒えるころに人の補助を受けながら確実に一歩一歩歩いて正しく筋肉を使うリハビリを行うことにした。筋肉は使わなければすぐに減ってしまうからまずは使うことが大事であり、もつれていた足取りが再びリズムを取り戻す時、犬も人もきっととても大きな幸せ感に包まれる。なによりも犬に笑顔が戻るはずである。

動きを失った犬の悲しみはもしかすると人には理解しづらい類の苦悩かもしれないけれど、目的を持って体を動かすにあたり、できれば自己流よりも程度と正しい使い方を誘導してくれる理学療法士の存在が早く日本でもしっかりと普及することを願うばかりだ。

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